ブログ

「一味違う食の楽しみ方『燻製づくり入門』」

「一味違う食の楽しみ方『燻製づくり入門』」

アウトドアで楽しむバーベキュー料理や、キャンプでの料理などで人気の高い燻製メニューは、最近では専門料理店のオープンや自宅で趣味の燻製作りをされる方の増加などで広まっています。
そもそも、食材を燻製にするということは、食材を燻すことで保存食を作るための料理方法です。
アウトドアで主にしてきた燻製調理は、保存食の製作を目的に燻す過程において、食材に独特の香りづけをしてきたのが、今や食材の味の変化を楽しむ調理法へと変化しています。
どの様な理由にしろ、食欲を誘う燻製は今や人気の高い調理方法として、見過ごせない調理方法に成長しています。
今回は、その燻製づくりについてご紹介していきます。

■燻製の魅力あれこれ

燻製の魅力は何といっても、食材を燻(いぶ)すことから出てくる凝縮された食材本来の旨味と香りではないでしょうか。
肉、魚、チーズ、ゆで卵、野菜、ナッツなどを、スモーキーに燻して、アルコールのつまみや食卓メニューの一品として味わうのは格別です。
燻製は、なぜ風味豊かな味わいが楽しめるのか?それは、燻すことで食材の水分がどんどん減少し、食材の旨みが凝縮されて美味しくなるからです。
燻すために使用する「燻煙材」の種類、燻しているときの温度管理、水分調整や食材への下ごしらえなど、燻製づくりはその製法をどこまでこだわるかで、風味や味わいがどんどん変化していきます。
まさに、こだわりが変化をもたらすクリエイティブな調理方法なのです。

◇燻製の基礎知識

燻製は、燻煙材と呼ばれるスモークチップを材料に煙を出し、その煙で食材を燻していきます。
その際の温度と時間によって「冷燻」「温燻」「熱燻」の3種類の製法に分けられます。
冷燻とは、およそ15度から30度以下の温度で数日間かけて燻す製法で、燻す期間が長い分、保存期間も長くなりますが高度な燻製技術や専用設備が必要となります。
次に温燻とは、およそ30度から80度の温度で燻す製法で、燻煙材に火をつけて煙を出して2時間から、食材によっては24時間かけて燻していく製法です。
最後に熱燻とは、80度から140度の温度で燻す製法で、燻煙材を熱源で熱し煙を出し、10分程度から1時間程度の時間をかけて燻していく製法です。
熟燻は、割と温度管理が簡単なので、初心者の方におすすめの製法です。
熟燻は、燻製にして保存することには向いておりませんので、ソーセージやチーズを燻製にしたら、その場で食べきるようにしてください、
また、生食できない肉や魚を熱燻製法で燻す場合は、あくまで食材に風味づけをしただけで調理はできていませんので、食べる前に必ず調理をして召し上がるようにしてください。
また、保存目的でしたら、食材がしっとりと仕上がる温燻製法で行われることをおすすめします。

■自宅で燻製づくりをするために準備するもの

燻製づくりをするために必要なものは、食材を燻す「燻煙材」と燻製機(スモーカー)です。

◇燻煙材(スモーク チップorウッド)の種類

燻製づくりに欠かせない燻煙材には、いろいろな種類がありますが、ここでは代表的なモノとその特徴をご紹介していきます。
まず、燻煙材にはスモークチップとスモークウッドの2種類があり、一般的に燻煙材というとスモークチップを指します。
スモークチップは温燻や熱燻に適しており、5ミリ程度のサイズの木片で、日本ではサクラやブナが手に入りやすくなっています。
スモークウッドは冷燻や温燻に適しており、木材をチップやおが屑よりも細かく粉状にして棒状に固めたものです。
1本で4~5時間ほど燻煙できますので、燻煙したい時間の分だけ切り落として使用していきます。

◇燻煙材種の特徴

【ヒッコリー】
煙の香りも強く、ベーコンやサーモンなど肉や魚系使用されているポピュラーな燻煙材です。
【サクラ】
豚肉やラム肉など癖のある肉類に向いている、独特の香りを放つ燻煙材です。
【クルミ】
肉、魚問わず、オールマイティに使用できる、くせのない香りの燻煙材です。
【リンゴ】
鶏肉や白身魚など淡白な食材に適しており、甘めの香りでマイルド風味の仕上がりの燻煙材です。
【ブナ】
燻した時の食材への色付きが良く、味わいはやや渋みがあり、魚介類に向いている燻煙材です。
【ナラ】
ブナと比較して渋みもなく、色づきが良い燻煙材です。

◇燻製機(スモーカー)


燻製作りにおける基本的な工程は、食材の下処理に始まり、塩漬け後に食材を塩抜きして乾燥させ、いよいよ燻しの工程である燻煙をしていき、最後は食材によって熟成まで行い完成という6段階の工程に分けられます。
燻すには専用の燻製機を使用しますが、大型の食材のことを考えてサイズは大きめで深さのある燻製機を準備されることをおすすめします。
本格的に「冷燻」を行うときは、温度調節ができないと適切な燻しの温度を管理できませんので、選ぶときに温度調節可能かの確認が必須となります。
同じように、スモークサーモンや生ハムを作りたいと思っている方も、温度調節ができる燻製器を必ず選んでください。

■まとめ
肉や魚、卵やチーズにナッツなどの食材を、自分で選んだスモークチップでオリジナル風味の燻製づくりをするのは楽しいものです。
バーベキューパーティやキャンプ場で、家族や友人たちに自慢の燻製を披露しながら、燻製の香りを楽しむ至極の時間は最高なひとときです。
まさに、燻製づくりは、日々の忙しさを忘れて、のんびりゆったりとした時を過ごさせてくれる調理方法です。

関連記事

ページ上部へ戻る